「神様だけが知っている」
それは一種の逆説であるとも思う。
神について古来人々は様々な議論を重ねてきた。哲学、生物学、心理学、物理学など、悠久の時を経て培ったすべての知恵を以て人々が対峙してきた概念でもある。
人智の及ばない世界を神の領域などとも呼んできたが、今や生命や知能までもが人の手の中に収まり「神様だけが知っている」はずだったその域は、雨垂れが石を穿つように狭まり続けている。
神は人の親であり、子でもある。あるいは血肉を分けた兄弟とも言えるかも知れない。
全知全能への憧憬からか、人はその背中を追い続けることで導かれてきた。背中合わせの私たちは、「神様だけが知っている」その行き先を、いつか私たちの手で知ることができるのだろうか。
7/4/2024, 12:56:54 PM