誰にも言えない秘密なんて、誰にでもある。
「じゃあ、貴方にはあるの?」
「あるよ。もちろん」
「おぉ、ちなみに何?」
「誰にも教えられないって言ってるでしょ~」
「そっかそっか。ちなみに私もあるよ」
「えぇ、それってなに?」
「あ、貴方も人のこと言えないね!」
「あ……」
貴方の顔を見て、照れくさそうに笑う私は、きっと偽物。
私は、人に嫌われるのが、怖い。
それがバレるのが嫌で、バレて気を使われるのが嫌だから、笑顔で隠してた。
だから、貴方にも教えられない、誰にも教えられない秘密。
「秘密があるからこそ、自分にしか分からないことが分かるようになるよね。秘密を、大事にしてね」
そういう貴方は、天使のような笑顔で私を包み込んだ。
天使の裏に隠されている秘密は、可愛らしいものなのか、それとも悪魔なのか。
それが分かるのは、貴方自身だけらしい。
6/5/2024, 1:36:55 PM