まだほの温かい身体。でも心臓は動かない。嫌だと戻ってきてと泣き叫ぶしかできなかった。この地の神の怒りを買ったんだとあとで思うしかない。
そのまま私はグライトに閉じ込められ、過去の自分を見ていた。自分はひたすら波のような軍勢をのけるので精一杯。まともな装備も兵糧もなく長年の逃亡の末、落ちていく私兵達。最後の砦のゴーレムと竜騎兵が死んだ瞬間。我らの悪の王子は槍玉に挙げられ、抜け殻のまま勇者にその胸を貫かれたのだ。愛していたこの大地に首をさらされたのだ。故郷に帰りたかった。ただそれだけだったのに。
1/19/2026, 1:33:03 AM