【 愛情 】
僕には人を愛せないと思ってた。
君に会って初めて、湧き上がる気持ちに気付けた。
寒空の下、木の根元に横たわっていた君。
体は冷たく硬かったけど、なぜか連れ帰らなきゃと
思って、背負って帰ったね。
何も話せず、動きもしない君に感じた気持ちは本物だよ。
ただ、時間とともに腐臭と虫を発する形になって、
僕らはお別れすることになったよね。
出会った木の下に君を葬ったけど、新しい縁もあった。
君が連れてきてくれたのかな。
君に似て、やはり冷たく硬い体をしている。
僕の胸は高鳴ったよ。
また、大切にしてあげるからね…。
11/28/2023, 9:17:27 AM