『そして、』
辺りが連鎖的に爆発を起こす。
ここまで来れたのも奇跡だろう。
俺たちのボスがやられてしまった。
そのせいかアジトが自爆システムが作動し始めた。
準備段階の時点で爆発が始まってる。
カウントがゼロになったら…生きては帰れないだろう。
俺は一番最後に少しでも爆発を抑えるため
全員が避難したエリアを閉めていく。
全員無事に帰れそうだ。
最後の扉をロックしようとした時隊員のひとりが声をあげる。
「扉のシステムが爆破により下がりません!」
衝撃か反動か...いやそんなことはどうでもいい。
ここの扉を閉めない限り全員無事では済まないかもしれない。
だとすれば、やることはひとつ。
「みんなは下がってろ。」
扉のサイズに似た破片を何重にも重ねる。
「ここで俺が少しでも抑えている。
少しでも早く遠くに逃げるんだ!」
たじろぐ隊員たちに怒鳴る。
「早く逃げろ!」
葛藤しながらも隊員たちは走り出す。
そろそろか...隊員たちの顔がよぎる。
みんな今までありがとう。そして...
カウントがゼロになった。
語り部シルヴァ
10/30/2025, 10:28:09 AM