椿灯夏《少しずつ削除します》

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お題《モノクロ》

木枯らしの夜
月光蝶ランプが夜風におどる
アンティークカフェ《エデン》
花の香りの珈琲 レモンケーキ 

――カラスの羽のようなアンティーク帽子 

三日月の唇からうたう呪文
誰もしらない詩のように
誰もがしる詩のように


「魔法使いは現実には存在しない。――でも。君は綴ることができるだろう? なら答えはカンタンだ。君が、綴ればいい。《魔法使い》は、君のモノなんだから」


つめたい現実は 冬の月のようだ
生きる場所を 選べないから
ここは 牢獄 鳥籠 それでもここが 楽園


「生きてみたくはない? ここじゃない、ここで。ここだけど、ここじゃないどこかで。……彼らと」


甘い蜜のように囁く
どんな毒より おもたい毒 を




現実は 死 よりもおもい

生者が
生者である以上に



彼はそれをしっている
夜の海を 深海を


だれよりしっている………………



「ひとつ、約束をつけ加えておこう。いつか必ず来るその日のためのね」



最後にみたのは 


9/29/2025, 3:03:32 PM