るに

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好き、嫌い、
嫌い、好き。
中々終わらない花占い。
フラワーガールと言われるくらい
私は花を持っている。
いつも持ち歩いてるし、
家にストックが何輪もある。
何故かと言うと
私は何事も決めなきゃいけないとなったら
花占いで決めるのだ。
今日の朝ごはんはパンかご飯か、
持っていく花は暖色か寒色か、
一人で過ごすか友達と遊ぶか。
他にも色々なことを花に託す。
物心ついた時から
優柔不断で遅いとよく言われた。
そのせいか、
自分で何か決める、ということが
私にとって苦行となってしまった。
もちろん花代は馬鹿にならない。
それでも
私は花が無ければ
1日1日を過ごせない。
そんな私は今日、
1番占いたくない、
決めたくなかったことを
花で決めようと思って始めた。
それは花占いが好きか嫌いか。
ただの物事を決める道具だから
好きも嫌いも無いと思うけど、
もう辞めたいと
普通になりたいと感じたから。
どんな結果になっても
風で流せるように
たんぽぽの綿毛を使った。
好き、嫌い、好き、嫌い。
最後に残ったのは
嫌い、の綿毛。
"Good Midnight!"
私は嫌いの綿毛を風で飛ばし、
残った茎を
近くの橋から落とした。
そして私に出せる
最大声量で
好きー!と叫んだ。
川に流されていく茎を眺め、
梅雨曇りの空を睨んだ。

6/20/2025, 4:15:11 PM