【明日に向かって歩く、でも】
明日に向かって歩いた僕は、何度でも死んだ。
1000回目の死を迎えた時、全てを理解した。
「明日に向かって歩くのでは無い、死に向かっている」
そう悟ったとき、何もかもがどうでも良くなった。
落ちてくる鉄パイプも恐れなくなったし、突っ込んでくるトラックもどうでも良くなった。
生き返る、息変える。
蘇る、甦る、黄泉返る。
何度でも繰り返した先、僕は廃墟になった街で旅をすることになった。
蔦のはったビルの外壁、鳴く鳥の声。
ただ喧騒のない街並みが、僕を見下ろしていた。
明日に向かって歩く、でも僕は立ち止まったままだ。
1/21/2025, 4:58:58 AM