【過ぎた日を想う】
私は三兄妹の中で唯一の女子。三兄弟になるはずが、三兄妹になってしまった原因のひとつで、女の子らしくしなさいと言われて育った。
でも案外良い人間になんてなれなかった。障害というハンデがついてまわり、私は同級生に『障害者』と貶されながら呼ばれ、地域では5年も何かを叫ばれながら貶されていた。大人も子供も全部私の敵で、中学卒業後2年が経過した夏の日に部活の後輩が私に声を掛けてきたが、知らない人間のフリをした。別に良いだろう、仲良くもなかった部活の後輩など知らないフリをしても罪なんて無いはずだ。
そういえば昔、教師が私に『あいつらが楽してるって思ってるでしょ』と言ってきたが、なんで人のことを虐めて楽しんでるゴミと言える人種が大変な思いをしながら生きているなんてどう転んでも間違いに過ぎないだろう、そんなことも分からないのか。まあそうだよな、虐めを遊びやノリと言う意味のわからない無法地帯の住人だもんな。信じた私が馬鹿だったよ。
なんて過ぎた日を想った私は今からスーツケースを持ってどこかに行く事にするよ。こんな人間どこに行っても何も無いはずだから。子犬を引き取って育てようと思ったが障害者の私には無理だろうから諦めるよ。
障害者の私をどうか許しておくれ。
10/8/2024, 3:52:47 AM