徒花

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「哀愁をそそる」

時の流れは目まぐるしく

長く思える時間も過ぎてしまえば一瞬のよう。

どんなに辛い事があっても、もう駄目だと嘆いても死なない限り時は進み続ける。

時間は無常である。
その過程で何があろうとも同じ速度で時を刻み続ける

時間だけでなく記憶もまた無常である。
断片的な記憶しか残らず、時間が経つにつれ、どんどん記憶を失っていく。
大切な記憶も、心に響いた思い出も、忘れたくないと願った事も、悲しい出来事も、みな忘れていく。

目まぐるしく変化する世の中で
自身も、自身の周りも、常に変化し続け
一時の思い出など色濃いのは一瞬で
だんだん、だんだん色あせていく。忘れていく。

忘れることは良いことなのかもしれない
辛い記憶、痛い記憶、悲しい記憶それらもまた等しく忘れていくから。
忘れたくない事だけ覚えていられるなんて、そんな都合のいい事はないのだ。

そう分かってはいても、いつか忘れてしまうであ
ろう今の記憶も、この瞬間の私も変化し、いつか色あせ消えていくと思うと哀愁を感じられずにはいられなかった。

11/4/2022, 4:02:06 PM