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「繊細な花」

私は無価値な人間
私の中の小さな希望は
見つけたら摘み取り
決してそのままにしないで
足て踏みつけて引きちぎった

たまにそれも面倒くさくて
放っていても誰かに踏みつけられたり
摘まれたりして
育たなかった

それでも

何度も生えてきた


芽を見るたび悲しくなって
諦めの悪い自分に呆れて
私が可哀想になって

あの人に出会ったときに生えた1本
私は1本だけ育ててみることにした
幸い
誰にも気づかれず
固くて不格好な
蕾ができた

踏まれそうになるたびに
守っていくうちに
蕾が愛しくなって
私は生きることを学び始めた
尊び始めた
楽しみ始めた

やがて蕾はほころび花を咲かせた

醜くて愛おしい繊細な花
私は美しいと思う
私だけの花

あの人がその花を美しいと言ってくれた
嬉しくて流した涙が
落ちた地面に芽が生えた

あの人は嬉しそうに笑って
一緒に花を育てたいといってくれた

そうして

私はあの日から不器用ながら
たくさんの繊細な花を育てている
あの人と

6/25/2023, 3:17:39 PM