帽子を深く被った男を正面から見た。
つばが落とす影でほうれい線がくっきりしていたから、おっさんだと思ったのに。男が手で軽く帽子を上げた一瞬にちらりと見えた目が黒々としてて、あんまりにも可愛いかったから声をかけたんだよ。
砲台が並んでて肌をつけるとひんやりしてて今の季節にはちょうど良いくらいだった。
でも、それが馬鹿長かったし、ハガネみたいに硬かったからついに国はサイボーグを作ったのかと思った。
産んでくれというか、産まないでくれというか、
本能と理性のどちらがより愛だと思うかってか。
今日も弾を詰めて打って降ってくのを見て、そういえば男と会ってる間だけは晴れてるなって気づいた。
「手のひらの贈り物」
12/19/2025, 1:35:00 PM