「どうぞこのわたくしめを、悲劇の主人公であると、哀れみなすってくださいませ!」
自身を主人公と呼ばせられますこの方は、自分が一番、ええ。この世で一番不幸であられます姿を、皆々様に見せて差し上げたく思っているようでして、はい。
ええ、悲劇も喜劇も等しく、エンターテイメントと括られますからなぁ、仕方のないことにございます、はい。
しかし、しかし。この悲劇なる主人公に舞い降りました、悲劇はなにかといいますと、はて。
そこに居ますは、悲劇なる主人公の愛しき人……でございますか⁉︎あれあれ、なるほど!この悲劇なる主人公のテーマは、愛しき人と今生でははなればなれになってしまわれたと、そう言った趣向で?
は、はぁ。確かにそれは悲劇だ。しかししかし、きっとこの劇のオチは、ハッピーエンドとなるでしょう!御涙頂戴からのハッピーエンドは、エンターテイメントとしては王道中の王道でございましょう?
11/16/2023, 2:05:26 PM