部屋の片隅で膝を抱える。初冬の冷気が床から這い上がってくる。悪夢を見るから、夜は嫌いだ。眠れない日々はそれでも続いていく。灰色に見える世界で、なぜ生きているかもわからないまま。ただ死んでいないだけの人生は苦しい。このまま床に沈み込んで、地面に埋まって、誰にも見つかりたくない。何もない部屋から目を背け、体を抱きしめる腕に顔をうずめた。とろとろと眠気が襲ってくる。枯れ果てた涙を押し出すように、きつく目を閉じた。
12/8/2023, 8:46:35 AM