お題 : ひそかな想い
____何事も始めた頃の記憶を忘れてはいけない。
昔、そう言われた記憶がある。
その「言葉」は、世界の人間が忘れるからそう呪っているのだろうけど。じゃあそれができすぎる人間はどうなるのだろうか。
そういう「言葉」こそ、忘れられないからずっとそれを繰り返している気がして、聞くたびに変な気持ちになる。
「行けたら行く」「期待している」
生々しい言葉は自分の中で淘汰して。
「君がいるから生きていける」「生きてていいんだよ」
美しい思想や押し付けられた表現は面倒臭いと思い、それが求められる時代に嘘くさいと思って。
「___っていう経験があったけど、後悔はしていない」
目の前にいるただの他人が語る、綺麗に梱包された不幸や悲劇が安っぽく感じる。
「絶対できるから、期待しておくね」
「君がいたから、こんなに素敵なのができた!」
「君の経験だって、成功に繋がるはずだ」
『 うるさい 』
そんな人達に、「言葉」のナイフを突き付けた。
だって、その「個人の幻想」で俺が報われるわけないでしょう?
「うるさい」……その「呪い」は、俺自身が思った、まさに「濁りのない毒」。
心に残り続けるひそかな想いは、『救わないで』。そんな綺麗な毒のような想い。
こう想い続ける俺が報われるたった一つの方法は、具現化できない腐った想いを他人に突きつけること。
「うるさい」という呪いでは折れないぐらいの、まさに突き刺さる言葉。
周り……いや「他人」は、そんな俺に自分自身の思想を押し付けてくる。いつか爆発するのは目に見えている。
だったら今は、正気で狂わせて欲しい。
俺を救おうとしないで。
これは俺の染み付いた執着。
きっと、他人にも大切な人にも奪えない。
「表現」という「呪い」が、俺の中で正気であるうちに。さっさと、目の前で消えろ。
さもなければ____これは、言ってはいけなかった。
ともかく、俺は密かに想い続けている。
「 世界なんかどうなってもいい。 」
「 この想いだけは、誰にも奪えない。 」
_____そうやって、ね?
2/20/2025, 10:43:06 AM