Shina#47

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お題 : ひそかな想い


____何事も始めた頃の記憶を忘れてはいけない。


昔、そう言われた記憶がある。
その「言葉」は、世界の人間が忘れるからそう呪っているのだろうけど。じゃあそれができすぎる人間はどうなるのだろうか。
そういう「言葉」こそ、忘れられないからずっとそれを繰り返している気がして、聞くたびに変な気持ちになる。

「行けたら行く」「期待している」

生々しい言葉は自分の中で淘汰して。

「君がいるから生きていける」「生きてていいんだよ」

美しい思想や押し付けられた表現は面倒臭いと思い、それが求められる時代に嘘くさいと思って。

「___っていう経験があったけど、後悔はしていない」

目の前にいるただの他人が語る、綺麗に梱包された不幸や悲劇が安っぽく感じる。


「絶対できるから、期待しておくね」
「君がいたから、こんなに素敵なのができた!」
「君の経験だって、成功に繋がるはずだ」


『 うるさい 』

そんな人達に、「言葉」のナイフを突き付けた。
だって、その「個人の幻想」で俺が報われるわけないでしょう?
「うるさい」……その「呪い」は、俺自身が思った、まさに「濁りのない毒」。


心に残り続けるひそかな想いは、『救わないで』。そんな綺麗な毒のような想い。

こう想い続ける俺が報われるたった一つの方法は、具現化できない腐った想いを他人に突きつけること。
「うるさい」という呪いでは折れないぐらいの、まさに突き刺さる言葉。

周り……いや「他人」は、そんな俺に自分自身の思想を押し付けてくる。いつか爆発するのは目に見えている。


だったら今は、正気で狂わせて欲しい。


俺を救おうとしないで。
これは俺の染み付いた執着。
きっと、他人にも大切な人にも奪えない。

「表現」という「呪い」が、俺の中で正気であるうちに。さっさと、目の前で消えろ。

さもなければ____これは、言ってはいけなかった。

ともかく、俺は密かに想い続けている。

「 世界なんかどうなってもいい。 」
「 この想いだけは、誰にも奪えない。 」

_____そうやって、ね?

2/20/2025, 10:43:06 AM