ほむら

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私たちの家は小さく、部屋も二人で住むには少し狭い。それでも、私たちは何も不自由なく暮らしている。

「あなたは、いつか二人で大きい家に住みたいと思う?」
「確かに、夢のマイホームを建てるのもいいとは思いますが、今のままでも俺は充分ですよ」

そんな話をしているこの家は、ほぼワンルームの広さなのだ。だからリビングの他には、二人で共有している寝室しかない。それでも、彼は充分と言ってくれたのだ。

「何で?私はともかく、あなたにとっては窮屈だと思うけど」
「こうして、二人で居られる時間が増えるじゃないですか。一緒にご飯を食べて、一緒に寝て…」
「ふふ、確かに家にいたら私たちずっとそばに居るよね」
「そういう事です。貴方と抱き合って眠るのはとても幸せですから…」

流石に寝室のベッドはダブルベッドで広く使えるのだが、心配性な彼は私をベッドから落ちないようにぎゅっと抱き寄せるので、ほぼ真ん中に寄っていて端っこがかなり余るのだ。狭い部屋に対して広いベッドなのに、これだけくっついているのだから、無理に大きい家を買う必要はなさそうだな、と改めて思った。

テーマ「狭い部屋」

6/4/2024, 11:00:58 AM