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こぼれたアイスクリーム



『将来は、お嫁さん!』

『えー、綾は、まだ早いよ』

『小学生だもの』







もう何年経っただろう?
私はもう25歳
綾は既に23歳で結婚出産している。
彩綾も24歳まで独身だったが、25歳の誕生日の時に
ホテルの高級ディナー中に、彼氏からのプロポーズされた
と、報告があった。綾、彩綾も既に出産済み
美桜は、まだ恋愛未経験者





美桜『独身決定かな…』



〜回想〜

美桜の母
『美桜にしましょう。桜が咲いている美しいときに美桜は生まれた』


幼少期の美桜
『私はね、プリンセスになるの!ダイナちゃん、
ラプちゃ可愛いプリンセス、プリンぜ好き』


美桜の母は、美桜を抱きしめながら頬を優しく
触りながらスキンシップをする。


『必ずプリンセスになれるわよ…』

幼少期の美桜
『いつプリンセスになれるの?』


皇族や、王族出身ではない美桜にとって
ディズニープリンセスのラプンツェル
イギリス王族の故・ダイアナ元妃になりたがっていた


母は、美桜の瞳を優しく見て

『それはね、好きな人と結ばれる日よ』

と、優しい言葉で美桜に頬をキスした

時が経ち
15歳の美桜は、母が急死し、彼女はアイスクリーム店で
バイトするようになった。父は、母のことを依存して
何もしない無職の父だった。そして新入社員として働き出したが父は、美桜が働いたお金を勝手に触りパチンコで全部使ってしまったのだ


美桜の父
『美桜が、お金を稼いでいないから早く無くなるんだ!』

美桜
『それは、お父さんが無職だからでしょ?
私の稼いだお金返してよ!』

美桜の父
『パチンコで全部使っちゃったぜ』

美桜
『ふざけないでよ!全部パチンコに賭けたんだ?
生活費は?』

美桜の父
『美桜が生活費を出すんだろ?』





美桜の職場では、美桜と友達になりたい人が居ない


美桜の同僚たち
『あの子、髪の毛ボサボサだもの』

『それに、冷凍食品ばっかり』



美桜は、職場から退職したい気持ちが高まっては
父からは退職しないでほしい。と言われている為、
日々ずっと事務仕事を熟している。
昼に終わった日には、都会の公園の前にある
コンビニに寄りアイスクリームを購入して
自分で作った冷凍食品と手作り弁当を食べて
花より男子をスマホ越しで見る。


美桜
『牧野つくしのように、私もなりたいなぁ』


幼少期からずっと持っているミラーを見て
プチプラコスメでリップを塗り替えては、
ルースパウダーで化粧を整える。


周りには誰も居ない
静かで優しい太陽の光の中での公園で癒しを楽しんで
いる。


桜色のアイスクリームが溶けて溢れていることに美桜は
知らない



遠くから来る男性が美桜に言う

『アイス…溶けて溢れていますよ…』

美桜
『え?』

美桜は、前を振り向くと、そこには笑顔の男性がいたのだった








8/11/2025, 11:38:23 AM