大人になりたい。
大人になったら自分でいろんなことができるから。
でも、あの人は言ってた。気楽にすごせるから子どもの方がいいよ、って。
大人ってへんだ。
なんで好きなこと仕事にしないんだろう。そっちの方がぜったい楽しいのに!
でもおかあさんは、そのうち楽しくなくなるからやめておいたほうがいいかもね、って言う。
あーあ。早く来ないかな。自分からのお手紙。
みらいの郵便局から「もうすこしで来ます」っておでんわ来たのに、ぜんぜん来ないんだもん。
きっとお手紙ないのごまかしてるだけなんだ!
まったく。みんなうそつきなんだから。
あしたこそ来ますように。
朝おきたら「みらいこどもゆうびんきょく」って書かれたふうとうと、じぶんあてのお手紙がポストに入ってた!
待ちに待ったお手紙。さっそく中を見てみた。
そこにはきれいな字でたった一行書いてあった。
郵便局からのお手紙もじぶんからのお手紙も、書いてあることはわからなかったけれど、おへんじを書いてみよう。
たいせつにしているオレンジ色の便せんをとりだして「ありがとう」って書いてみた。
次の行は何を書こう。
「10年前の自分へ。
今までありがとう。さよなら。」
「―さまへ
まことにもうしわけありませんが、こちらのおくりぬしはげんざいこちらにいらっしゃいませ ん。
おへんじをいただいてもおわたしできませんので、おきをつけください。
みらいこどもゆうびんきょく」
2/16/2023, 8:21:34 AM