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ずっとこのまま、私の大切な人たちが生きていてくれたらな、と思う。でも、それは叶わぬ願い。そんなことは分かっているが、やっぱり生きていてほしい。老いていく姿を見るのも、できることが減っていくのを見届けるのも、なんだか辛い。死に向かって歩んでいく背中を、見ていたくはない。しかし、それは私とてそうなのだ。私だって、死に向かって歩みを進めている。なんだ、終点は同じ場所じゃないか。歩み始めた時が違うだけだ。ならばせめて、私はあの人たちを追い抜いてしまわぬように。ゆっくりゆっくり、一歩一歩進んでいこう。終点に着いた瞬間を見届けてあげられるように。「お疲れさま」と、言ってあげられるように。

1/12/2024, 10:41:34 AM