作家志望の高校生

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私たちは皆、死ぬために生きている。
どれだけ偉大な功績を残しても、どれだけ多くの人を救っても、我々はいずれ天寿を迎え土に還る。
ならば、その道中である今の時間は、何の意味もないものなのではないか。
我々がぼんやりと過ごす1分と、1秒と、大差ないものなのではないか。
そんな問いがずっと頭を塞いで、重要なところでいつも足踏みをしてしまう。
ずっと、失敗を恐れる子供だった。
他の子供のように、無鉄砲にやりたいことへ突き進むことができなかった。
その結果生まれたのは、失敗したことのない、挑戦を知らない疲れ切った大人だけだった。
欠陥品のような私は、いよいよ生きている意味を見失いつつある。
私を慕ってくれる子供も、慕情を寄せてくる女性も、友人だと肩を叩いてくれる男だっていた。
私はそれらを深く愛している。愛しているのに、踏み込めないのだ。
子供を撫で、たしなめることはできたとて、抱き上げ、愛を伝えて育てることは決してない。
女性の手をそっと取り、恭しく跪くことはできたとて、その女性を愛し、生涯を添い遂げることはできない。
男と共に肩を組み、酒をどれだけ飲み交わしたって、こんな鬱屈とした、どうしようもない日々の不安を打ち明けることはできない。
私は結局、誰も一番にできず、誰の一番にもなれない中途半端な人間なのだ。
優れた才も、圧倒的な欠点さえない、可も無く不可もなく、無味乾燥として味気ない人生。
随分普遍的で、誰だって経験したことのある事象で作り上げられたこれに、価値はあるのだろうか。
私は、こんなものを大切に抱えておく意味を見失った。
何かに突出していれば、それか、いっそ振り切って何かに酷く欠けておけば、もっと人と違う、自分としての人生が歩めたのかもしれない。
そんな思いだけを抱きながら、私はまた、安牌な策ばかりを採る。
多くの物語に擦られ尽くし、見飽きて味もしないような、面白味に欠ける、他の誰かとお揃いの死因だった。
そんな、最期さえ普遍的だった私はいっそ、普遍的であることが、普遍的すぎたことこそが、私らしさだったのかもしれない。
今となっては、もう知れぬことだ。

テーマ:生きる意味

4/28/2026, 8:52:19 AM