【真夏の記憶】
茹だるような暑さの
7年前の今日
おじいちゃんが亡くなった
お線香の匂いは
今も胸に染み付いている
7年経った今日も
私は生きている
やっと死を受け入れたのは
今年の夏
寝苦しくて眠れない私の頭を
撫でてくれるおじいちゃんが
夢に現れた
ああ、私はやっぱり
まだまだ生きていくんだと
なぜかそう悟った
あの日の霊安室のおじいちゃんは
冷たくて硬く、
燃えて小さくなったおじいちゃんは
とても寂しかった
祖父の死という傷を
きっと忘れずに抱えながら
生きていくのだろう
そう思う
なにをしようか
今年の夏
おじいちゃんが好きだった
競馬や盆栽でもしてみようか
始めるには
なんだか気乗りしない趣味だと
渇いた笑いがこぼれた
そう考えながらも
なぜだか
ずっと涙が止まらなかった
8/12/2025, 12:57:04 PM