夢見てる

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冬になったら

冬になったら、徐々に彼が私に近づいてくる。これはもう確信を持って言える。夏でも近いが肩が触れ合う距離では無い、冬になるとこれでもかと言うくらい近づき私の手を少し雑に掴み自分のポケットに入れ込む。「お前が寒いと思ってな」と鼻を鳴らしながら自慢げに言うので少し意地悪をしてみようと考えた。
また別の日彼が同じように近づいてきたので制止する、何をするんだと抗議の顔を浮かべグイッと顔を近づけてくる。「今日はホッカイロがあるから温めなくていいよ」そう言うと彼はキェと小さく猿叫した。すこし意地悪しすぎただろうか?むすくれてしまいそっぽを向く彼の顔を覗き見る。眉をひそめて白い息を吐きながら、こちらをじろりと睨んできた。「ごめんね、いつも私の手が寒いからkitくんに悪いと思って」そう言うと彼はパッと顔を明るくし私に抱きついた。
「わいはほんのこてわっぜむぜね!」強く抱きしめるので苦しくなる、彼の背中を手で叩き痛いと伝える「すまん」と慌てて私を離した彼は眉を八の字に下げていた「大丈夫だよ、家に帰ろうか」笑いながら言うと彼は顔に花を咲かせ私の手を握った。

ki

11/18/2021, 5:58:50 AM