私の手首をとろりと伝うあなたの指。血管の筋をなぞるたび、そこがどうして青いのか不思議に思う。
親指でぐっと沈められるとたちまち色を失って、私の鼓動は貴方のものになったのがわかる。
「脈、はやいね」
貴方は力を緩めない。悪魔の子どもより無邪気な顔で、桜色の細い指で私のすべてを押し潰す。
「痛い」と思わず漏れた。その唇はうっすらと熱を帯びて、血の色に枯渇している。
このまま私の肉と彼の皮膚が交ざりあい、ひとつの細胞が形成される。その光景がじりじりと脳の一部に焼きついて、眩暈がした。
11/27/2024, 9:27:59 AM