留歌 RUKA

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レイ「ここの公園、ブランコあったっけ?」
優花「三年前の市の政策で市で運営する公園が一斉に改装されたときにね、増えたよ
   変わりにジャングルジムが無くなっちゃったけど」
翠 「私は、小さい頃はブランコ、少し苦手でした」

翠 「おかぁさん、怖いよ、足、着いてないよ」
母親「大丈夫よ、ほら手をしっかり掴んでないと落っこちるわよ」
翠 「揺れた!揺れた!助けて!」
母親「押すわよー」
翠 「いやぁぁぁぁ」

翠 「今は減ったけど、昔は嫌いなもの多くてね、お肉は脂っこくて嫌い、魚はパサパサしてるから嫌い
   野菜は苦いから嫌い、お化けは怖いし、お風呂は溺れそうで怖くて、異性は殴られそうで怖くて
   この世の全てが怖くて苦手で嫌いだった、そんな中で近所の公園にお母さんが連れて行ってくれて
   そこで乗ったブランコが本当に初めは怖かった
   足はつかないし、宙に浮く、空に投げ出されてしまいそうで泣きじゃくった、でもねそんな私の背中を
   お母さんは思いっきり押したの、酷いよね、でも、楽しかった初めてワクワクした
   風を切り裂き、空に飛ぶ感覚が不思議と怖くなかった、それから色々なことに挑戦して、
   出来ることが増えて、楽しかった」

優花「瑞希先輩は姉貴って感じでしたけど、翠先輩は、どちらかというとお姉ちゃんって感じがしますよね」
レイ「あー、分かる、瑞希先輩はマネージャーのくせして、誰より好戦的だったからね
   見てな!新米の諸君、喧嘩はこうやんだぞ!って背中で教えてくれる感じだったけど
   翠先輩は戦ってきな、って背中押してくれる感じ」
翠 「なんかそれ、凄く嬉しいなぁ、瑞希先輩みたく、頼りないかもだけど、見守ってるから」
優花「私も、瑞希先輩みたく、強くなくていいから、翠先輩みたく、優しく包み込める人になりたいです」
翠 「ありがとうっ!2人とも、また明日!」

翠「拝啓、ブランコへ
  私は応援しか出来ない、選手の背中も押すことすら叶わないかもしれない、でも、私に
  挑戦する勇気をくれたのは紛れもない貴方です。
  もう一度、挑戦するのなら、わたしはあなたを忘れない」

2/2/2024, 8:11:06 AM