お題/星の下で
瞬くような煌めきを見上げて、君は涙を零していた。
「どうして、泣いているの」
そっと君の頬に触れる。君のその透き通った瞳が、僕を見据える。
「わからない、わからないよ……あなたに会えたことが、こんなにも、嬉しくて、悲しい」
そう言って君は僕を抱き締める。
「ごめんね」
僕がそういうと、君の口から嗚咽が漏れる。僕はそっと君の唇に触れて、それから君の手を離した。
「もう此処に来てはいけないよ」
此処はまだ、生きている君のいる場所ではないのだから。
4/5/2023, 2:03:55 PM