何をしにきたのかというと、君の墓参りに来たのだ。
君を忘れそうになったら、僕はいつもここにくる。
ここに来て何かと君との思い出を思い出そうとする。
でも、今回はどうしたことか、思い出が1つも思い出せない。もう6年も経ったからだろうか。
僕は少し悲しげに墓から遠ざかった。
家に帰ると、君が好きだった卵焼き(君は甘めのものが好きだった)を作り、6年間変えられていないカーペットの上で食べた。
そこで気づいた。
あの墓は、君の骨が置いてあるだけで、その場所には何の思い入れもない。
思い出は、この、君と過ごした家に染み付いているのだ。
そう思うと、色々思い出してきて、その思い出に浸りながら僕は卵焼きを口へと運んだ。
8/28/2025, 9:39:13 AM