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別れ際に(番外編)22の続き

束の間の休息(番外編)23

 ●灰色猫ハイネとシズクちゃんの
  ひなたぼっこ


ぽかぽかのお日様の光を浴びて
シズクちゃんと灰色猫ハイネは
ひなたぼっこをしていました。
さっきまで二人で草むしりをしていたので
しばしの休息です。
ハイネは、久々の猫型に姿を変え
シズクちゃんの隣ですやすやと眠っていま
した。
シズクちゃんもハイネの隣で横向きに
寝ていました。
二人は、綺麗に揃えて寝息を立てて
いました。

しばらくするとパチリとシズクちゃんが
目を覚ましました。
そうしてぐぅ~とお腹が鳴りました。
そろそろお昼の時間です。
シズクちゃんは、ハイネが作ってくれた
お弁当をバスケットごと持って来て
レジャーシートにお弁当を並べました。
そしてハイネに呼びかけます
「ハイネお昼ご飯だよ!!」しかしハイネはよっぽど疲れているのか深く眠っていました。
シズクちゃんは、ハイネが起きるまで
待ちます 食事は、皆で食べた方が
美味しいからです。
シズクちゃんがハイネが起きるのを待っていると どこからかリスが顔を出し
レジャーシートに置いてあったお弁当の
ミニおにぎりを....「あっ....」ひょいと抱えて持ち去ります。

「リスさん待って....それハイネと食べる
おにぎりなの.... 待って....」シズクちゃんの声も虚しくリスは、自分の巣穴におにぎりを持っていきます。
シズクちゃんはリスを追い掛けおにぎりを
持って行かれない様にリスの巣穴に
近づきました。
普通のリスの巣穴よりは、大きい巣穴
でした。
シズクちゃんは巣穴を覗き込むと
すってんころころと穴の中に落ちてしまいました。
幸い滑り台の様に滑って落ちて来た為
怪我は、ありませんでした
シズクちゃんは、丸い瞳をパチクリとさせ
リスさんに話し掛けます
「リスさんおにぎりを返して下さい」と
シズクちゃんが言いましたがリスの手に
もうおにぎりは、ありませんでした
そうしておにぎりの代わりにリスが
シズクちゃんにくれた物は.....




そしてシズクちゃんに遅れてハイネも
目を覚ましました。
(ふああっ 良く寝た あれ?)
ハイネが目を覚ますとシズクちゃんが
いませんでした。
(あいつどこ行った.....)ハイネは人型に
なるとシズクちゃんを探しに行きました
「お~い!」ハイネが呼びかけると
シズクちゃんが目を丸くして木の根元に
座っていました 見ると服が所々汚れて
いました。
「お前どうしたんだ?」ハイネはシズクちゃんを抱き上げました。
シズクちゃんが言う事には....
「あのね....リスさんが此処まで送ってくれ
たの....でもね....ハイネが作ったおにぎり
リスさんが美味しいから食べちゃったの
だから代わりにリスさんがこれくれたの
ハイネにごめんなさいだって....」
シズクちゃんは自分の首に掛かっている
長いネックレスをハイネに見せました。
そのネックレスは、紐でドングリやクルミなどたくさんの木の実や葉っぱが連なって
いました。

ハイネは(何があったかさっぱり分からん)と思いましたがシズクちゃんが一生懸命
説明してくれるので....
「そうか....とりあえず無事で良かった」と
言ってシズクちゃんと元居た場所に戻り
一緒にお昼ご飯を食べました。

   (おしまい)

10/9/2024, 6:51:31 AM