三羽ゆうが

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きらきら、きらきら、夜の街に蔓延る欲望。

𓏸𓏸したい、××したい、あれしたいこれしたい、欲望とはそこが尽きないものだ。

「寄っていかなぁい?」

「こっちサービス付きだよ!」

金を落としそうな客に声をかけ続ける人々。酔っぱらいをつかまえて、無作為に金を搾り取る。何を買うにしても金がいる。金がないと生きていけない。

「そこのおにーさん」

手を差し出して何かを媚びる少女。生きる為の物乞い、こんな歳からこんな事しないと生きていけないなんて、可哀想に。もはや同情すらも淡白になってしまう。


きらきら、きらきら、夜の街に蔓延る欲望。
この街で生きるには欲望が無いと生きていけない。それが例え生きる為に必要な事だとしても。

欲望のない俺はまるで、透明人間みたいだ。
今も昔も、これからも、きっとこの街に揉まれて、死んでいくだけ。


『街』

6/11/2024, 3:13:44 PM