"真夜中"
『ねぇ、明日さ、裏山の洞窟入ってみない?』
ホームルームが終わった後に紗奈が話しかけてきた。
「えー、あそこ出るって噂あるじゃん…
この間も近くで一人行方不明なってたし…
私そういうのマジ無理だから」
『大丈夫!他の子も誘うし、5〜6人で行こ!』
(まあ、大人数ならいいかな…)
「怖いけど、みんなで行くならいいよ、」
『じゃあ明日の21時に校門に集合ね!
親には内緒にしといてね!』
次の日
『あ!来たよ!もう、遅いよー』
「ごめんごめん笑」
(やっぱ怖いな、断ればよかった…)
「ここってな、高校生の霊が出るらしいよ」
健斗が洞窟の奥を指差しながら言った。
『ねぇーやめてよー、怖いじゃん』
そんな話をしながら洞窟の奥まで着いた。
しかし、霊は出ず、何も見当たらなかったので帰ろうとした時、ゴッという鈍い音がした。
視界が歪み、体が地面に叩きつけられた。
頭が生ぬるく湿っている。
横を見ると、みんなが私を見下ろしていた。
その顔は笑っているように見えた。健斗は大きな岩を持ちながら何か叫んでいた。
意識が朦朧としていく
呪いがかかったのか、元から計画されていたのか、
私にはもう考えられなかった。
5/17/2024, 12:33:18 PM