花筏

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【True Love】
真実の愛の反対には偽りの愛があるのが世の常でございまして。
昔、居酒屋でおんなを取っかえ引っ変えしている男がおりました。働いて家族を養ってる男ならまだしも、こやつは髪結いの亭主でござんして、昼間っから酒を飲んでは女を連れ込み好き放題でございました。
なんど女房に叱られても女遊びを辞めず、とうとうかみさんが怒って離縁を言い渡し、男を追い出してしまいました。奴さん、金等ございませんから今夜泊まる場所も食う飯にも困ってしましました。

「かかあの野郎、無一文で追い出しやがって、あくまでもこっちは亭主だぞこんちくしょう」

しかし文句を言っても、もうかみさんは戸は開けてくれませんから、今夜の宿を探さねばなりません。

「そうだ、新田屋のかみさんとこに行こう。あそこの亭主はしばらく仕事で留守のはずだ。あんだけ愛し合ったんだ。1晩の宿ぐらい貸してくれるだろう。」

しかし

「ここにあんたのいるばしょはないよ。帰っとくれ。店にまできちゃぁ、あの人にバレるだろ。ほらっ、しっしっ。」
「あんだと!てめぇ、新しい櫛と簪買ってやったのにその言い草はねぇだろ!」
「うるさいね。あんたが勝手に買ってきたんだろ。こっちゃ頼みなんざしちゃいないよ」
「ちっ、他をあたるか」

しかし、他所の女の元へいけども、誰も泊めてくれる者などおりません。
「かかぁ、かかぁよぅ、すまねぇ俺が悪かった。ほかの女との愛は偽物だった。お前さんからの愛だけが本物だったよ。なぁ、開けとくれよぉ」
「自分が金に困ってようやく懲りたかい。でもねぇ悪いけどもうあんたにやれる愛は無いよ。今まであんたをほんとに愛してたけどもう無理だね。」

男は結局、仲人からの紹介で、住み込みの仕事を始めたそうな。



※口調が色々迷子です(´-` )

7/23/2025, 2:19:04 PM