楽園と聞くと、羨ましさや多幸感よりも寂寥感を抱くのは何故だろう。
どこまでも続く濃淡が美しい青い海
色とりどりの草花が咲き乱れる庭園
伸び伸びと空を飛ぶ野鳥
水中を縦横無尽に泳ぐ魚たち
いがみ合う事なく互いを尊重して息づく人間
そのどれもが夢幻と気づいてしまっているからだろうか。例え実在する現象だとしても永遠に続くことはないと諦観が過るからだろうか。それともユートピアが続くことこそディストピアだと感じてしまうからだろうか。
楽園に憧れるにはあまりにも世知辛い現実に晒されている。
願わくば、かつて抱いた童心のように楽園を夢見る心が戻らんことを。
楽園
4/30/2024, 1:32:12 PM