六月ももう終わる。また夏が来る。
幼い頃は、あんなに夏が楽しかったのに、今はこんなにも憂鬱に感じる。暑さのせいとかじゃなくて私の全てを簡単に奪い去った。
花火、祭り、日暮、まだ終わっていない課題、風鈴の音。
今も昔も何も変わらない。あの頃のままだ。
幼い頃の夏は輝いていた、幼い頃は――。
私の時間はまだあの噎せ返るような夏の日に取り残されている。
※おまけ※
田舎のあぜ道、蝉時雨、木漏れ日、野原で君と見た満月。
夏の夜は静かな時もあれば、賑やかな時もあった。
鈴虫の鳴き声、花火の弾ける音が今でも耳朶に蘇る。
梅雨が明け、幾度目かの夏の気配がもうそこに来ている。
今年は実家に帰省しようかな。と、満月を見上げながら一人呟いた。
6/28/2025, 10:31:54 AM