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この世に願いを一つでも叶えてくれる神様がいるならどんなに幸せだろうか。私はそう思った。だが一つしか叶えられないとはどんなに苦痛なことか私はまだ知らなかった。悪夢の始まりは高校生の夏だった。暑い家の中であまり効いてないクーラーと扇風機をフル稼働させて夏休みの課題をこなしている時に電話がかかった。それは妹と母親が死んだ報告だった。車の逆走が原因らしい。あまりにも衝撃すぎて涙も出なかった。その日私は寝ていると夢の中で翼を持った天使の様な人がやってきて今から一つだけ願いを叶えてやろうと言った。私は2人を蘇らせたいのです。と言ったらダメだ。1人だけだと言われた。私は結局妹を選んだ。母だけの葬式が終わると私は罪悪感で吐いてしまった。私が母を殺してしまった。私が選んだのだ。私が見捨てたのだ。こうして私は自分の余生は罪悪感に苛まれる人生になった。けれど妹の安らぐ顔を見ると少しは何かを成し遂げた達成感で救われる様な気がしてならなかった。
この物語はフィクションです。
お題一つだけ
ここまで読んでくださってありがとうございました。

4/5/2024, 6:30:28 AM