物憂げな空
朝、この空を見ると憂鬱になる。
青空見える、晴れた朝が好きだから。
気分も変わる。
思い出したくない事も思い出す。
こんな日だった。大学生から社会人へとなった頃
『俺、別れたい。お前は俺いなくても大丈夫だ
よ。強いんだよお前は。』
そんな感じに、5年付き合った同い年の彼とは終わ
った。
あれから、私は恋愛が出来ない。
どうしたら、男性が喜ぶか、守りたくなるか
分からなくなったからだ。
そんな事を鬱々と考えながら、気付けば会社の前。
部署へ向かうエレベーター待ちをしてると
「永峰、おはよう。…ん?元気ないのか?」
上司で大学の先輩の、香山課長が挨拶してきた。
「課長!おはようございます。…元気ですよ?」
笑顔を一生懸命作りながら、見上げる。
「ぷっ…作り笑顔じゃないか。」
「まあ、なにかあれば相談しろよ。お前は1人抱え
込むから。」
そう言い終わると、エレベーターが到着した。
みんなの流れに合わせながら、乗り込む。
課長とは、離れたが
さっきの一言が妙に嬉しく、にんまりしてしまった
久しぶりの感覚…くすぐったい感覚。
物憂げな空の朝も悪くないかもしれない。
2/25/2023, 4:44:46 PM