俺は俺が落ちて沈んでいくのを笑顔で見ていた。
あいつが嫌いだ。
あいつも俺が嫌いだ。
俺は彼女が好きだ。
あいつも彼女が好きだ。
苗字も同じ
誕生日も近い
ほぼあいつと俺は同じだ。
それだからテストの点があいつの方が上だったら
ムカついたし頭に血が上りそうだった。
俺はあいつに少しも負けたくなかった。
あの日は風の強い日だった。
その日はサークルで旅行行くことになっていた。
あの日はあいつから俺を呼び出した。
確かあいつから俺に襲いかかったと思う。
違う...お...俺からだったかも。
分からない。
何話したかも覚えてない。
ただ鮮明に海の底に落ち続けるあいつの姿が
残っている。
それと1つ覚えいることは
同時に俺が俺をあいつを見て笑ったこと。
─────『海の底』
1/21/2024, 12:25:47 AM