「ちゃんとやれるかな」
いざときがくると、大したことでなくても不安がでてくる。
「あなたなら大丈夫、この日のためにいっぱい準備したのだから、胸を張っていきなさい」
「そうね、婆様のいう通りだわ。
ちょっと弱気になってたみたい」
あちらも準備ができたようだ。
寄れた襟袖の男たちが現れ、轟音鳴らす大扉を開いた。
「いってらっしゃい」
感極まったのか、ほろりと涙をたらしたお婆さま、ええ、いってきます。
この日のため、がんばってきたのだから。
私は胸を張って、舞台へ向かった。
歓声が上がる。その周囲には、エプロンにフォークとナイフ。
「さあ、いよいよ開幕です!年に一度のめでたき日、皿の日でございます!
皆さま、選ばれました彼女に大いなる拍手を!」
『ハッピーエンド』
3/30/2023, 3:28:45 AM