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『夏』

青春の季節と言われるそれが私は嫌いだ。暑いし、暑いし、暑い。暑いということがどれだけ人の体を蝕むのかこの季節になるととてもよくわかる。でもそんな夏にこそ好きな場所がある。いつの間にか昼食を終えた私は、走り始めていた。汗なんて感じなかった。少しきしんだドアを私は開けた。

「失礼します!!!!!!」
[今日も来たんだね〜。毎日来るから顔覚えた。]

今日もいた。部屋にはたくさんの本棚が並んでいる。カウンターにいるあの人はにっこり笑った。あぁ、ここに来てよかった。その笑顔だけでも反則なのに、顔を覚えてもらえるなんて。やばい。私の心臓は大きく動いた。
それと同時に体温も上昇した。夏の暑い気温のせいだろう。多分。

6/29/2024, 9:08:36 AM