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【鳥のように】

嵐の夜に
雨降る雲へ
雷鳴轟く闇へ
私は急上昇する
一気に
雲の上に突き抜けるんだ
さあ行こう 小鳥たち
少しの勇気でそこに行けるよ

小鳥たちは首を横に振った

そこには星があるよと
私は幼い小鳥たちに鳴く
小鳥たちは首を横に振った
雷も雨も振らないのにと鳴く
小鳥たちは首を横に振った
安全で快適で美しい世界があるよと鳴く
小鳥たちは首を横に振った


だから
私は
嵐の空に戻った

悲しくて悲しくて
涙がこぼれた私を見ても
小鳥たちは心配そうにしながら
首を横に振った

「母さんが雷から守ってくれる」
「母さんが雨から守ってくれる」

そうだね
母さんは守るよ
でも、母さん
もう限界なんだ

母さんの心まで
闇に侵された

そういって私は泣いた

小鳥たちは首を横に降った

「壊れるまで
母さん、
僕達を守って」


私は鳥のような、翼があっても、使うことは許されない

だから壊れたら飛んでいくよ
ひとりで

8/21/2023, 7:10:47 PM