空は戦利品である。
陽光の奇襲に惑わされた夜は、泣く泣く月を背負い星々をかき集めて自らの国へ引っ込んだ。
皆いなくなった空を見渡し太陽は満足げに宣告する。
「これより朝の始まりである」
世界の隅々まで輝きを放ち続ける太陽は一日の間に活力を使い切り、みるみる老いていく背中に夕闇がロープを掛けて海の深みへ引きずりこむ。
夜はまたじわりじわりと空へと手を伸ばし、星をばら撒いて自らの領土を主張する。
入れ替わり立ち替わり、誰のものでもない場所へ挑み続けるもの達のおはなし。
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あいまいな空
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所感:
夕焼けも朝焼けも好きですが、嵐の雲が一番好きかもしれません。
6/16/2023, 10:49:31 AM