川柳えむ

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『スマホのアラームが鳴った。朝だ。』
『スマホを手に取った私は、画面に表示された「知らない番号」からの着信に、一瞬だけ心臓が跳ねた。』
『電話は深夜にかかってきている。誰からだろうか? 私はとりあえずその番号を検索にかけてみた。』
『――調べた番号は、私の知らない地方のものだった。』
『いつもだったら当然無視している。しかし、なぜたろう。この時は折り返してみようという気持ちになった。』
『電話はすぐに切れた。けれど、耳の奥に、微かな「助けて」の声が残っていたような気がした。』

「えぇ~……?」
 君とリレー小説をしている。交代で物語を書いていくあれだ。
 君から返ってきた小説の続きに私は頭を悩ませる。
 知らない人からのSOS?
 どう返したらいいだろうか? まぁここはとりあえず……。

『驚いて、再度電話をかけてみる。しかし、今度は繋がらない。電源が切られてしまっている。』

 すぐさま返ってきた。
 どれどれ……。

『画面を見つめながら、私はふと思った。――「あの声、聞き覚えがある」ような気がしてならなかった。』

 えぇー?
 知ってる声なの? どうしたもんかなぁ。
 悩みに悩んで、それでも君と物語を紡いでいく。
 放課後の教室。楽しそうに笑う君。
 どんな物語が完成するかは私達にもまだわからない――。


『君と紡ぐ物語』

11/30/2025, 10:36:11 PM