独り言を紡ぐどこかの誰か

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【優しさだけで、きっと】

深い深い海の中。
何も聞こえず、何も見えず、
音も光も届かない、真っ暗な世界。

手を伸ばしても、陸には到底届かない。
肺の空気は尽きて、
もう取り返しがつかない。

力を抜くほど、沈んでいく。

でもどこか心地いい。


そんなことを考えながら眠ると
いつもより深い眠りにつけた。
海の底に沈むように。

たまに本当に何も聞こえなくなる時がある。
自分の呼吸がうるさい。

浅く静かに息をする。
誰にも、自分にすら聞こえないくらいに。

もっともっと沈んでいく。

このまま消えてしまいたい。

誰にも気づかれない、誰も知らないところで、
どこかで生きていると思われているうちに
海の底まで沈んで、海の一部になれたら、
何も考えずに済むのかな。

優しさに溺れて、辛くなる前に。

何をしてもダメで、不安でも孤独を強いられ、
自暴自棄になって暴れて、そのまま罪人だと捕らえられた
そんな過去ばかりだったから。

困った時は、助けてくれて
苦しい時は、そばに居てくれて
間違った時は、引き戻してくれて
嬉しい時は、一緒に笑ってくれて

その日々が、無くなるいつかが不安だと言った時、
大丈夫だよって否定してくれる。
何よりも大切な友人ができた。

その優しさに甘えて、傷つけてしまう前に、

何も無い海の底に沈めてくれ。

それが無理だと言うのなら
どこまでも私に付き合ってくれ。

どうせ溺れて死ぬなら、道ずれにしてやる。

それすら許してくれると思えるから
もう既に溺れていたのかもしれないな。





5/2/2026, 2:48:45 PM