「鏡の中の自分」
日本神話では、鏡は神と非常に深い関わりをもつ。
三種の神器の1つに数えられ、天皇の皇位継承の必須アイテムだ。かがみ(鏡)から、が(我)を取ると、かみ(神)になるという、言葉遊びみたいな言い伝えもある。
そしてこの鏡、とても謎多き品であることを、ご存知でしょうか。
三種の神器の鏡は、八咫鏡(やたのかがみ)という。神話を簡単に言うとこんな感じだ。
アマテラスオオミカミが洞窟に閉じこもった時、なんとか出てきてもらおうと、洞窟の外で神様たちがドンチャン騒ぎをする。なんだ?と気を引かれ、岩戸を少し開けたアマテラスの目の前に八咫鏡を置く。鏡の中の自分を他の神様と見間違えたアマテラスは、もっとよく見ようと身を乗り出したところを、引っ張り出されるというお話だ。
さてそんな八咫鏡は、現在伊勢神宮の内宮にあるとされているが、実は今生きている人の中で、実物を見た人はいない。最後に見たのは明治天皇らしいが、見たことについて口外してはならない決まりがあり、本当に見たのかどうかも分からない。分からないのに、なぜか形代と呼ばれるレプリカのようなものが、宮中にある。一体どうやって作ったのか。
また天皇家以外で見たという人がいて、鏡の裏にヘブライ語が書かれてあったという話もある。そのことから日ユ同祖論を語る学者も多いとか。でも誰も見たことがないので、その信憑性は、都市伝説よりちょっとマシぐらいに思うのだ。
ググれば、そんな話は山のように出てくる。
秋の夜長、神話を読みふけるのもいいかもしれない。
11/4/2022, 9:56:27 AM