至極、腹を立てていたのだ。
真っ当な被害者として不幸話を延々と続け、決まりきった反応を求める彼女に。
いつも腹が立ってから、理由探しをする。似た形のものが選べるならまだいいが、頓珍漢なものを無理に押し込めて、そういうことにしてしまうこともある。
腹を立てて都合のいい理由を見つける自分を醜いなと蔑んだあとは、素直に怒ることすらもままならないんだと呆れ返る。
内に産まれた怒りはそのまま口に出しその場ですっきり解決できる人がいるそうだ。その効率的な感情処理を誰が教えてくれたって言うんだろう。いや、違うか。少なくともその人たちよりも私は余分に教わったのかもしれない。感情よりも状況に合わせることで大抵のことはうまくいくとか。我儘が言えずに育った人は、誰もがを納得させる理由がないと怒ることは許されないと信じている。もう誰の許可も必要ないのに。必死に自分で自分を納得させるだけの感情の理由を並べる。本当の理由だけを見つめるとまるで自分がちっぽけで幼く弱いものみたいに思えるから。
人の心はわからない。不幸話を語り続ける彼女も率直に怒りを出してさっぱりと笑う人にも、それなりの地獄があるのだろう。
人の苦しみを知るにはその人と同じ軌跡を辿ることでしかわかりようもない。
自分の感情ひとつに批判殺到大炎上、またその様を見たくもないのに俯瞰して眺める自分。
これも地獄と呼ぶことを誰かに許可して欲しい。
11/15/2025, 4:38:23 PM