紫小灰蝶

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仕事帰りに電飾が設置された街路樹に目がいく。
日が落ちてすっかり暗くなっているのに、ライトアップされなくて、ちょっとがっかりした。
待ち遠しいわけではないが、大通りが金や青などの美しい輝きに包まれる彩りを見てみたかったのだ。
その光景を見るのはまだ先かもしれない。
微風で揺れる木の音に侘しさを誘われて、マフラーに顔を埋めて、最寄駅に続く横断歩道を渡る。
冬の始まりに期待を抱きながら待つことにした一歩を踏み出して。






11/29/2023, 2:18:04 PM