君に惹かれたのはその瞳が綺麗だったから。
ガラス玉のように綺麗でまん丸でキラキラしているその瞳。
ああ、でも、僕の瞳を見ないでくれ。
君に隠し事がバレてしまう気がするんだ。
その純粋な目は僕の心までを覗いてしまうような気がしたんだ。
汚い部分まで見られるようなそんな気が。
君は綺麗なガラスだ。
でも、ガラスは簡単に壊れてしまう。
一度割れたら全て割ってしまいたくなる。
だから丁寧に優しく扱わないといけない。
ガラスを覆っている枠も含めてだ。
君に見つめられると、嘘は言えない。
でも、これだけは言えないんだ。
「君の瞳は死んだお母さんにそっくりだ」
『重なる瞳』
4/7/2024, 12:46:00 AM