フワリが帰った後もフウタは風の丘に座って星空を眺めていた。
フウタはわかっていた。今日、フワリと一緒に星空を眺められたのは、流れ星にお願いしたからではない。フワリが勇気を出してお父さんに話をしたからだ。
フワリと一緒にいるのは楽しい。フワリと一緒に野原を駆け回る時、ボクとフワリは風になる。こんな遊びができるのはフワリとだけだ。フワリと話をするだけで元気になる。フワリはボクの親友だ。
でもフワリと遊ぶ時、ボクはこっそり抜け出している。帰る時もいつもドキドキしながら帰る。「何をしていたの?」と家族から聞かれてもいつも「別に」って答える。いつかみんなに知られてしまうのだろうかとビクビクしている。フワリにも家族にも申し訳ないって思う。
フワリとはこれからもずっと一緒に遊びたい。家族にフワリを受け入れてもらいたい。ボクはどうすればいいの?
流れ星の数はどんどん少なくなってきた。フウタは最後の流れ星にお願いした。
「ボクに勇気をください」
そして、すくっと立ち上がり家に帰る道を風のように駆けて行った。
————————————-
お題:どうすればいいの?
11/21/2024, 11:32:17 PM