人の目を見るのが怖くなったのは、自業自得だったのだろう。子どもの頃の私は、とにかく小心者だった。相手の調子に合わせようとよく目配せしていた。目つきの悪さも相まって、「何でこっちを睨むの」と小学校の同級生に言われてしまった。大袈裟な恐怖心が私の視界を覆っていたのだ。
ただ恐怖も美には敵わぬようで、Cygames『ウマ娘』のゲームキャラクターの瞳を見つめてから、私は人の目をよく見るようになった。目までも芸術品になると教えてくれた良いゲームだ。
ウマ娘たちの瞳はとにかく美しい。桜の花を咲かせたり、太陽の輝きを照らしたり、何もかも射抜く照準器で見守ってくれたりと色々な瞳がたくさん輝いている。
現実世界に、彼女たちのような瞳の輝きを持つ生き物はさすがにいない。いないからこそ、その輝きの夢を追いかけるように人々の目を覗き込んでいる。
相手と視線を交わした瞬間に、煌めく星のような光。その光に、私は自身の虹彩から何かが芽吹くのを感じ、また瞳の奥から花開くような快感を覚える。
(250301 芽吹きのとき)
3/1/2025, 12:48:32 PM