恋する乙女―小5女子―

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〇question〇


大好きなあなただからこそ、気になる。
家はどこ?家族は? …好きな人は?
たくさん訊きたい。たくさん答えて欲しい。
でも、いざあなたを前にすると、ちゃんと話せなくなってしまう。
そのせいで、「名前の由来は?」とか訊いちゃう。
あなたと目が合うと、胸の奥がキュッと締め付けられるようになるの。
でも嫌じゃない。
この気持ちは何なの?あなたもそう思ってる?
そんな気持ちを込めて、今日もあなたも見つめるの。


親友だったHが、最近私を避けてくる。
どうして?私、なにか悪いことした?
そう訊いても、Hは、「別に」しか言わない。
わたしたちの友情は終わったの? ただの知り合いになっちゃったの?
今日は私の誕生日。…いつもなら、Hとパーティ、してるのに。
そんな鬱なことを考えながら、ベットに転ぶ。
『ピーンポーン』とインターホンが鳴る。
玄関に出ると、そこにはHの姿があった。しばらく沈黙が続いた。
私はやっと、口を開く。
「わたしたち、ずっと親友だよね?」
自分の口から出たのは、自分が言おうとしていた言葉ではなかった。
本当は、来てくれてありがとう、どうしたの?というところなのに。
余計に嫌われたと思って恐る恐るHの顔を見ると、涙が溢れていた。
「ごめんなさいっ。親友なのに、不安にさせて、苦しめて…。」
私はどうしてあげることもできなかった。ただ、抱きしめてあげることしか。

3/6/2025, 1:25:29 AM