衝撃の真実を話してあげよう
そう言って
ワイングラスを傾ける男
アタシはこの男が大嫌いだ
でも、嫌う事は出来ない
明かりのない
窓かはの光だけがある部屋で
私は彼の孤独を追体験する
当たり前の日常には
それを破壊するフラグがある
人とのコミュニケーションは
その最たる例である
ゲームのイベントの様に
他の選択肢が見えるならまだマシだ
アタシ達は時に
選択肢を増やす道を探す
あるかもわからない
自己救済の道を
そうだ
彼も同じ事を言っていた
もう何処へも行けない
選択肢を間違えたから
そう言う誰かを
慰める為のお呪いを
アタシの嫌いな男は
楽しそうに彼を揶揄する
人を救う人は
その分落とし穴も多い
駄目だ
それ以上何も言わないでくれ
だから
彼は救われなかった
無意識のうちに
机を叩いた
バンと鳴く机の音を
久しぶりに聴いた
彼がそれ故に味わった
恐怖などは君には背負えない
泣きたいのは誰だ
少なくともアタシではない
どうすれば良かったのか
たらればを語ったって
彼は還ってこない
恐怖の構成要素は君には
当てはまらないモノばかりだ
皮肉にも
アタシは私にはなれない
それでいいなんて
簡単な事は言えない
4/4/2026, 11:53:07 AM