日当たりの良い、小さな庭にスズランスイセンが咲いた。
ベル状の可憐な白い花、完璧な位置とサイズの緑色の点。
まるで白いスカートをはいた妖精みたいだと、遠い昔、誰かに言った。
洗いたてのスッとした香りのシーツを竿に広げ、洗濯バサミを三つ四つ。
春の風に、はたはたと揺れるシーツを眺めていると、途端、どうでも良くなった。
カラカラとガラス戸を閉め、訪れた静謐に長く息を吐くと、窓辺に敷かれた座布団に座る。
春特有のつよい風が吹く。
風に揺れるスズランスイセンが、しゃらと音を立てた気がした。
テーマ「バカみたい」
3/22/2023, 5:37:01 PM